上部消化管内視鏡
@検査までの流れ
前日は夜9時までに食事をすませてください(お酒はひかえてください)。それ以降は、水、お茶を飲んでも良いです。
当日朝は絶食ですが、少量の飲水は可能です。
看護師の指示にしたがってのどの麻酔を行います。
観察しやすいように胃の動きを一時的に弱める薬を腕に注射します(心臓病、前立腺肥大、緑内障、甲状腺機能亢進症の患者様は注射できませんが、検査はできます)。
A検査
B検査終了後
麻酔が切れるまで、検査後1時間は食事できません。組織を採取した方は、当日お酒を飲むことができません。
治療例
胃がんのリスクを評価するためのABC検診
がんは特別な人がなる病気と思われがちですが、日本人の2人に1人は悪性腫瘍(がんを含む)を発症し、3人に1人は悪性腫瘍で亡くなっています。特に、胃がんはその多くを占めています(2009年部位別死亡率は男性で2位、女性で3位)。がんの治癒率を上げるには早期発見・早期治療が不可欠ですが、「内視鏡検査はつらい」と無症状であれば検査しない方が多いです。しかし、早期では症状がないことも多く、症状が出現して検査したときには進行していることも少なくありません。
最近、ヘリコバクターピロリという細菌によって萎縮性胃炎を生じ、その胃炎が胃がんを発症しやすい環境になることが分かってきました(注:胃がんの原因は胃炎だけではありません)。血液検査でピロリ菌(HP)の有無をみる抗体検査と胃粘膜の萎縮度をみるペプシノーゲン(PG)検査を組み合わせることで、胃がんのリスク(がんになりやすいかどうか)を評価することができます。しかし、HP抗体検査は
@内視鏡または造影検査で確定診断された胃潰瘍・十二指腸潰瘍
A特発性血小板減少性紫斑病
B胃MALTリンパ腫
C早期胃がんに対する内視鏡治療後胃
D内視鏡検査で確定診断された胃炎(平成25年2月21日より)
が保険適用であり、PG検査は保険適用ではありません。そこで当院ではこれらの検査を行い、内視鏡検査を受けるきっかけにしていただきたいと考えております。
検査費用は自費となります(¥4800)。当院に通院されている方は診察時に、通院されていない方でも電話で予約できますので、興味のある方は本田 英明 医師(診察日:月・火・木・金曜日)にご相談ください。
また、HP検査が陽性であった場合、除菌療法を希望される方は自費で行うこともできます。
グループ | A | B | C | D |
---|---|---|---|---|
HP検査 | (−) | (+) | (+) | (−) |
PG検査 | (−) | (−) | (+) | (+) |
胃がんリスク | 小 ![]() |
|||
内視鏡検査の目安※ | 5年毎 | 3年毎 | 2年毎 | 1年毎 |
※内視鏡検査の目安は推奨されている間隔であって絶対的ではありません。
より短い間隔で受けていただくことで発見率が高まります。
下部消化管内視鏡
@検査までの流れ
前日は夜9時までに食事をすませてください(お酒はひかえてください)。夕食後に錠剤の下剤を飲んでいただきます。
当日朝は絶食で、8時より液体の下剤(約1.8リットル)を1時間以上かけて飲んでいただきます。
11時頃看護師より電話させていただきますので、便の状態を教えてください。
観察しやすいように腸の動きを一時的に弱める薬を腕に注射します(心臓病、前立腺肥大、緑内障、甲状腺機能亢進症の患者様は注射できませんが、検査はできます)。
A検査
B検査終了後
検査中は観察しやすいように空気を入れているのでおなががはりますが、トイレで出すと楽になります。
組織を採取された方は、当日お酒を飲むことができません。
ポリープを切除された方は当日絶食ですが、水、お茶を飲んでも良いです。また、入浴できません。
翌日出血等の合併症がなければ食事をしても良いです(検査後にパンフレットを渡します)
切除後に出血することがありますので、1週間は飲酒、激しい運動、遠出をひかえてください。
観察例
肝炎には発症して急に肝機能が悪化する急性肝炎と、徐々に進行する慢性肝炎があります。日本における急性肝炎の主な原因はA型・B型肝炎ウイルスで、特にB型肝炎は劇症肝炎という急激に悪化する予後の悪いものもあります。時にC型肝炎ウイルスが原因のこともあります。急性肝炎は入院して安静のみで自然に軽快することもありますが、劇症肝炎血漿交換、人工透析、肝移植等の高度な治療を要することもあります。多くは一過性に終わりますが、B型肝炎の10〜20%は慢性化します。
慢性肝炎はの原因の多くはB・C型肝炎ウイルスで、特にC型肝炎は慢性化率が高く、慢性肝炎を放置すると肝硬変に移行し、食道静脈瘤・胃静脈瘤(出血することがある)の合併や、肝がんや肝不全で亡くなるのが問題になります。まれに原発性胆汁性肝硬変や自己免疫性肝炎等の難病が原因のこともあり、前者については当院で診断し、治療している患者さんもいます。
当院では慢性肝炎に対する検査・治療を行っています。中核病院と協力してB型肝炎ウイルスに対する抗ウイルス薬治療、B型およびC型肝炎ウイルスに対するインターフェロン治療、インターフェロンフリー治療にも対応しています。それらは埼玉県の肝炎治療医療費助成の対象となっており、当院では助成を受けるために必要な診断書を作成することができます。
蓮田市では肝炎ウイルス検診を実施しており、40歳、45歳、50歳、55歳、60歳、65歳、70歳の節目年齢に達する方で、今までに肝炎ウイルス検診を受診されたことがない場合に無料で検診を受けることができます(蓮田市より送られる通知書が必要です)40歳以上の上記の年齢以外の方は有料(¥1000)で受けられます。
また、埼玉県内の市町村(さいたま市、川越市を除く)に在住の方は県内の一部の医療機関(当院も含む)、保健所で無料でを受けられます(ただし、職場健診や市町村健診で肝炎検査を受ける機会のある方は除きます)。希望される方は、肝炎ウイルス検査申込書を検査実施医療機関に提出する必要があります(用紙は当院に準備しています)。
C型肝炎ウイルスの治療について(初回治療)
「C型肝炎治療ガイドライン(2018年3月版)」では下記の方法が推奨されています。
◆慢性肝炎
・ジェノタイプ1型
@SOF/LDV(重度腎障害なし)
EBR+GZR
GLE/PIB
ABCV/DCV/ASV(毎週の肝機能検査が必要)
・ジェノタイプ2型
SOF+RBV(重度腎障害なし)
GLE/PIB
SOF/LDV(重度腎障害なし)
◆代償性肝硬変
・ジェノタイプ1型
SOF/LDV(重度腎障害なし)
EBR+GZR
GLE/PIB
・ジェノタイプ2型
SOF+RBV(重度腎障害なし)
GLE/PIB
SOF/LDV(重度腎障害なし)
SOF:ソホスビル、LDV:レディパスビル、
EBR:エルバスビル、GZR:グラゾプレビル、
GLE:グレカプレビル、PIB:ピブレンタスビル
BCV:ベクラブビル、DCV:ダクラタスビル、、ASV:アスナプレビル、
RBV:リバビリン、
肝炎治療医療費助成
埼玉県ではB型およびC型肝炎ウイルスの除去を目的として行うインターフェロン治療(無症候性キャリアに対する治療、インターフェロンの少量長期治療は除外)、インターフェロンフリー治療に係る医療費の助成が行われています。また、平成22年4月からはB型肝炎ウイルスの増殖を抑える核酸アナログ製剤治療が助成対象に追加されました。
詳細:http://www.pref.saitama.lg.jp/site/kanentaisaku/kanen-jyosei.html
肝機能障害に係る身体障害者
埼玉県では重症な肝硬変の患者、肝臓移植を受けて抗免疫療法を実施している患者を対象に身体障害者手帳を交付しています。申請には埼玉県身体障害者福祉法第15条により指定された医師による診断書が必要になりますので、希望者は当院を受診してください。
詳細:http://www.pref.saitama.lg.jp/site/kanzou/
〒349-0115
埼玉県蓮田市蓮田1-231
旧住所:蓮田市蓮田463-7
TEL・FAX 048-768-4772
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